その3 「カサゴの穴釣り」

磯が近くにあり、黒鯛(メジナ)、カサゴ等は良く釣れた。メジナの餌は子供の頃はもっぱらフナムシだった(フナムシで良く釣れたし、オキアミなどどいうシロモノは見たことも聞いたこともなく、フナムシが最良の餌と思い込んでいた)。しかも竿は山から切ってきた4メートル程度の竹竿だった(乾燥もさせず青竹が子供には重かった)。

一方のカサゴ釣りは「穴釣り」がメインだった。これは大潮(別に大潮でなくても釣れたが大潮時が一番面白かった)の時の干潮時を見計らって、1メートル弱の竹竿に同じく1メートルのハリス(2号〜3号)を付け、これにカミツブシの重りとチヌ針を付けたものを使う。餌は鹿児島名物「キビナゴ」だった。キビナゴが一番安く(キラキラ光るのも良いと判断していた)、10円、20円で大漁に買えた。このキビナゴを頭部分と尻尾部分の半分にするために腹から指で千切り、1匹を2回に分けて餌にした。

このキビナゴを針に付け、潮が干いた磯の岩の割れ目、岩と岩のすき間に落とし込んでいくのである。まあよく釣れた。ひと穴2〜3匹は必ず掛かってきた。ただ、厄介なのがウツボであった。これが掛かるとハリスを切って日干しにして岩の上にさらしておいた。帰りにはカラカラになっていた(そのまま魚の餌になったと思われる)。