その4 「カモ猟」

カモ猟は私の好きな猟の一つであった。なぜ好きなのか、それは弾を沢山撃てたからである(無免許のくせにまったく)。カモ猟には2種類あって、ひとつは海に浮かんでいるカモ(飛来してきたカモ)が岸にだんだん寄ってくるのを待ち、それを堤防の上から、父親と二人それこそソーッと近づいていき、まず私が群れの真ん中を狙って1発撃ち、続けて2発(私のは2連銃)、同時に父親が3発(3連銃)続けて撃つのである。大体は1回の狩猟で3〜4匹のカモが獲れた。そのあと、海なので撃たれたカモを拾いに行くのがまた大変だった。水際だったら楽なのだが、沖に流されていくカモを拾うためには船を出すには間に合わず(どんどん流されていく)、海に入って(つまり泳いで)拾いに行った。しかし冬の海は以外にもそれほど冷たくは感じなかった。

一方、楽しいもう一つのカモ猟とは、雨のシトシト降る午後に海岸に行き、堤防の陰に隠れて、陸の方に飛んでくる(田んぼに餌獲りに飛んでいく)カモを撃つ猟であった。通常カモは夕方から夜にかけて、海から田んぼに餌獲り(落穂や田んぼにいる虫)に飛来してくる。ところが雨が降るとそれが午後から始まるのである(夕方と間違えるのか?)。そうすると飛んでいくカモの頭の先を狙い(地上との距離によって変る)とにかく「下手な鉄砲も数撃ちゃあたる」ではないが、まさにそういう状態となるのである。弾がいくつあっても足りないのだ。それでもうまく当ると斜めにヒューツと落ちていく(まさにクレー射撃とまんま同じ)。カモは煮付け(煮込みカモ鍋)にすると旨かった。

ちなみに狩猟をしていて一番美味しいと思ったのは、山鳩、キジ鳩の「炊き込みご飯」であった(ドバトじゃない。念のため)。(この味は食べてみないと絶対判らないと思いますが・・・)。